
のぞみは緊張しているようだ。
電話で話していたときとはやはり違う。
「どっか行きたいトコある?」
「親にちょっとだけ出るって行ってきたから近くがいいです。」
「?なんで敬語なの?電話みたいにタメ語でいいよ」
「だって思ってたより大人っぽかったから・・・」
大人っぽいですって!同級生と一緒にしてもらっちゃぁ困ります!
「そっか。オレってメールの内容とかアホっぽいもんね。
全然印象違かった?」
さらっと聞いたけど、けっこうドキドキ・・・
「うん。ちょっとね。怖そうな人だったら帰ろうって思ってたの
でも、すごいやさしそうで安心した!」
そうなんですやらしいやさしいんです
「ろびんは?のぞみと会ってがっかりしちゃった?」
そう言いながらのぞみはハンドルを握るろびんの方を見る。
そんな聞き方されて「がっかりした!」って言えるヤツっているのかな?
(がっかりなんかするかよ!大当たりだよこれ)
「全然がっかりなんかしてないよ。思ってた通りかわいかったよゥ」
(うはぁ。恥ずかしい~。このセリフ)
「・・・・・・(照)」
のぞみはちょっと照れながらはにかんだ。
(お?今のセリフは当たりか?)
「全然かわいくないよぉ。背ももっと小さい方がいいしさ・・・」
「そっか?小さいよりそれくらいの方がよくない?
もっと背が低い方がいいなんてうらやましい悩みだと思うよ」
と、持ち上げ気味の会話をしながら車を走らせた。
「ホテルでも・・・お茶でもしようか」
そう言って目についたファミレスに車を停めた。
店に入り、ろびんは紅茶を のぞみはカフェオレを注文する。
相変わらず緊張した雰囲気のぞみ
妙なハイテンションで話しまくるろびん
1時間程度談笑をたのしんだあと
「ごめん。そろそろ帰らなくっちゃいけないんだ」
「そっか。じゃ、そろそろ帰ろうね」
会計時に
「自分の分は払うよ」
「いいって。こーゆーのは男性が出すもんなの」
「・・・え?悪いよ・・・」
「いいから!」
「そうなの?ありがと。」
いいよなぁ。こーゆー精神が大切なんだよ。
おごってもらうのが当たり前って思ってるヤツが多すぎなんだよ!
まさか、カフェオレ代も持っていないって思われた (゚o゚;)
その後、再び車に乗込んで待ち合わせた○×駅を目指す。
「駅から家って近いの?」
「15分くらい歩くかなぁ?」
「せっかくだから家の近くまで送るよ」
「・・・いいです。歩いて帰るから。」
しかしろびんは「こっち?」「こっち?」といいながら
住宅街に入っていく。
結局、のぞみの道案内で住宅街を走る。
「あ、ここで。」
のぞみがそう言うとろびんは車を停める。
「すぐそこだから・・・」
「そうなんだ。じゃ、短い距離だけど気をつけてね」
「この距離で何を気をつけるんですか?(笑)」
のぞみは、今日会ってから一番の笑顔を見せた。
「はは。そうだね。じゃねぇ」
「バイバイ」
そういって別れた 初めての生のぞみ。